2-9
歩きながらくちずさむ。懐かしい、歌を。
(思い出しているのだよ)
そこにあるのは少しばかりの郷愁と、希望と。
行き来する人波のなかから、見つけ出す事はできない。
なんてことはわかっている。
けれど。
東京という街の空気は、私にとって軽やかで、重い。
後楽園。久しぶりのジェットコースター。
古い建物の壁が好き。
ゴールデン街の猫。に句点。
歌舞伎町で、懐かしいひとと会う。
歩き続ける決意。夏の名残の青空。
こんな居場所も悪くないな、と思いながらてくてくと歩く。